← ノート一覧へ
面接対策 NOTE 018 約4分

面接で短所を聞かれたら、困る場面と対処をセットで話す

会議室で短所を答えるシュウと、レジのお金を数え直すカフェでの回想

面接で「あなたの短所は?」と聞かれて、「心配性なところです」と答えると、たいてい会話はそこで止まる。面接官が黙って次の言葉を待っているのに、こちらは言い切ってしまって続きがない。短所の名前だけでは、相手に何も渡せていないからだ。

渡すべきなのはラベルではなく、その短所で実際に困った場面と、そこで自分が何をしたかの二つだ。

ラベルだけでは、どんな人か伝わらない

「心配性」「せっかち」「人見知り」——短所として挙がる言葉は、強みの名前と同じで、すでに完成しすぎている。誰が言っても同じ響きになり、聞いたほうは、その人が具体的にどう困っているのかを思い描けない。

心配性と言っても中身はいろいろだ。提出前に何度も見直して時間を使いすぎる人もいれば、人に仕事を任せられず全部抱え込む人もいる。同じラベルの下に、まるで違う困り方が隠れている。だから短所を答えるときは、名前を言ったあとに「それで、こういう場面で困った」と一つ場面を開く。場面が一つ入るだけで、言葉は急にその人のものになる。

仕事につながる場面を一つ選ぶ

場面はどこから取ってもいいわけではない。できれば、働き始めてからも起こりそうな場面を選ぶ。アルバイトやゼミ、サークルで、人と関わったり締め切りに追われたりした場面のほうが、相手は仕事の姿を想像しやすい。

たとえば「心配性」なら、「カフェのバイトで、レジ締めの金額が合うか毎回不安で、閉店後に何度も数え直して、他の片付けが遅れた」。ここまで言えば、短所がどんな形で表に出るかが具体的に見える。テスト勉強の場面でも使えないわけではない。試験前の準備の進め方や時間配分で不安が出た、といった話なら、仕事での段取りにもつながって伝わる。ただ「なんとなく不安になった」で終わると、場面としての手がかりが少なく、聞いたほうも次の質問に困る。

場面を選ぶときは、自分の過去の記録をたどるところから始めるとやりやすい。学生時代の経験の棚卸しから探すと、埋もれていた場面が見つかりやすい。

対処は、やったことと、これからやることを分ける

短所の場面を話したら、そのあとに対処を続ける。ここで一番やってはいけないのは、短所を言いっぱなしにすることでも、逆に短所を長所の宣伝だけに置き換えてしまうことでもなく、やったことと、これからやることを混ぜて話すことだ。

「心配性なので、ダブルチェックを徹底しています」とだけ言うと、それが本当に続けている習慣なのか、今思いついた意気込みなのか、相手には区別がつかない。だから自分の中で線を引く。すでに実行して効果を確かめたことは「〜するようにしてから、〜が減った」と過去の事実で話す。まだ試している途中や、これから直したいことは「今は〜を試している」「次は〜しようと思っている」と、現在進行や予定の形で正直に言う。

記入例 短所は、心配性で確認に時間をかけすぎるところです。カフェのバイトでレジ締めに不安があり、閉店後に自分だけで何度も数え直して片付けが遅れたことがありました。そこで、責任者に相談して、店の手順どおりに数えたうえで、どうしても不安なときだけ確認してもらう形にしてから、むやみに数え直すことは減りました。それでも大事な作業では不安が残るので、今は、作業前に、間違えやすい点を店の手順書で確認しておくようにしています。

前半の「責任者に相談して、手順どおりに数え、不安なときだけ確認してもらう形にした」は、やって効果が出たこと。後半の「作業前に間違えやすい点を手順書で確認しておく」は、今試している途中のこと。この二つを分けて話すと、短所と向き合っている過程がそのまま伝わる。全部を「できるようになりました」とまとめてしまうより、途中のことを途中と言えるほうが、話に無理がない。

なお、お金の確認のように店で手順が決まっている作業は、自分の判断で変えず、まず店の手順を守るのが前提になる。

短所を長所の宣伝だけで終わらせない

対処を話すうちに、つい「心配性だからこそ、ミスが少ないんです」と、短所の話を長所の宣伝に変えたくなる。短所が仕事でプラスに働く面があるなら、それに触れること自体は悪くない。ただ、聞かれたのは短所だ。困った場面の話を飛ばして長所の宣伝だけで終わらせると、質問に答えていないことになるうえ、困った場面の生々しさも消える。

短所は、直そうとしている最中の自分として話せばいい。完全に克服した話にする必要はない。むしろ、実際に改善した範囲と、まだ残っている課題を分けて言えばいい。短所を聞かれたあとの深掘りに備える作業は、強みの回答と同じやり方でできる。くわしくは深掘り質問への備え方を見てほしい。

おわりに

短所の質問は、自分の弱いところを白状させる場ではなく、自分の困り方を自分がどれだけ把握しているかを話す場だ。ラベルを一つ用意するより、場面を一つと、やったこと・やっていることを分けて持っておく。

そうしておくと、短所を聞かれても、隠すでも飾るでもなく、「自分はこういうところで困って、こう付き合っている」と、ただ説明すればよくなる。付き合い方を言葉にしておく作業は、面接が終わっても、次に同じ場面で困ったときの自分を少し助けてくれる。


参考資料

あわせて読みたい

こんなときに

ほかのノートを読む ↗