← ノート一覧へ
面接対策 NOTE 003 約4分

面接の深掘り質問は、自分の回答から先に作っておく

面接の深掘り質問は、自分の回答から先に作っておくの漫画

面接の練習をして、志望動機もガクチカも一通り言えるようになった。それでも本番で「なぜそうしたの?」「そのとき、あなたは何をしていたの?」と一段踏み込まれると、急に言葉が止まる。用意した答えは最後まで話せるのに、その手前を聞かれると詰まる。

これは覚える量が足りなかったのではない。用意した答えが、話の「結果」だけでできているからだ。

用意した答えは、結論だけを持ち歩いている

面接用に整えた回答は、たいてい仕上がった一枚の絵になっている。「アルバイトで新人の定着率を上げるために引き継ぎメモを作りました」――きれいにまとまっているし、それ自体は事実だ。

ただ、この一文には、そこに至るまでの過程がまるごと畳み込まれている。なぜメモだったのか。他の手は考えなかったのか。作ったのは本当にあなたか、それとも誰かと一緒か。周りはどう反応したのか。面接官の追加質問は、この畳み込まれた部分を開いてほしいという要求だ。

だから深掘りは、あなたの話を疑う尋問ではない。あなたが本当にそこにいたのかを確かめているだけだ。実際にいた人なら思い出せることを聞いている。用意していないから答えられないのではなく、思い出す準備をしていないから止まる。

自分の回答を、判断・役割・理由で読み直す

追加質問は、他人が意地悪で考えるものではなく、あなたの回答そのものから出てくる。だから、面接官より先に自分で作れる。

やり方はひとつ。完成した自分の回答を声に出して読み、次の三つに当たる言葉に印をつける。

  • 判断――「〜することにした」「〜を選んだ」など、選択を表す言葉。選んだということは、選ばなかった別の道がある。
  • 役割――「私が」「みんなで」「任された」など、誰が何を担ったかを表す言葉。主語があいまいなところほど「あなたは何をしたの?」が来る。
  • 理由――「〜のために」「〜だったので」など、理由を表す言葉。理由の後ろには、たいていもう一段深い理由が隠れている。

印をつけた言葉のそれぞれに「なぜ?」「具体的には?」「あなたは?」を足せば、追加質問はほとんど自作できる。

回答例で、一度やってみる

たとえば、こんな回答を用意していたとする。

記入例
カフェのアルバイトで、新人がすぐ辞めてしまう問題がありました。私は引き継ぎメモを作り、教える内容を統一しました。その結果、新人が仕事に慣れるのが早くなり、辞める人が減りました。

三つの印をつけると、追加質問はこう出てくる。

  • 「辞めてしまう」→ なぜ辞めていたと考えたのか。 本人に聞いたのか、あなたの推測か。
  • 「私は引き継ぎメモを作り」→ なぜメモだったのか。 シフトを変える、先輩をつける、他の案は出たか。それはあなた一人の判断か、店長に提案したのか。
  • 「教える内容を統一しました」→ それまでは何がばらばらだったのか。 具体的にどの作業で困っていたのか。
  • 「辞める人が減りました」→ それはメモのおかげだと、どうして言えるのか。 他に変わったことはなかったか。

半分も答えられなかったとしても、それでいい。ここで見つかった空欄が、本番で止まる場所とほぼ重なっている。先に見つけておけば、本番で初めて出会わずに済む。

新しい答えを作るのではなく、記憶を掘り出す

ここで気をつけたいのは、空欄を埋めるために立派な理由を新しく発明しないことだ。「なぜメモだったのか」に、面接官が喜びそうな戦略的な答えを後付けすると、次の一段でまた崩れる。作った理由には、その先の記憶がついてこないからだ。

やることは逆で、実際に何を考えていたかを思い出す。「先輩に聞くのは気をつかうから、紙に書いてあれば新人が自分で見返せると思った」――地味でも、これがあなたの本当の理由なら、次に何を聞かれても同じ場所から言葉が出てくる。追加質問に強い答えは、うまい答えではなく、思い出せる答えだ。

思い出す作業は、一人でもできる。回答を紙に書いて、上の三つの印から質問を作り、口に出して答えてみる。詰まった質問には、当時のバイト仲間やゼミの資料をたどって記憶を補う。ここまでやって、それでも自分だけでは掘りきれないと感じたら、誰かに回答を読んでもらって「どこを聞きたくなるか」を挙げてもらうと、自分では気づかない空欄が出てくる。

おわりに

深掘り質問の準備は、新しいエピソードを増やす作業ではなく、すでに持っている一つの話を、話した本人がちゃんと通り抜けられるようにする作業だ。用意した一文の裏側を、自分の足でもう一度歩いておく。

それをやっておくと、当日に予想外の角度から聞かれても、慌てて答えを作らずに「そのとき、実際どうだったか」に戻れる。面接で一番強いのは、練り上げた台本ではなく、その場に確かにいたという記憶のほうだ。

今日の持ち帰り:深掘りの準備は、自分の話をたどること。「なぜ・具体的には・自分の役割は」を問い、そのときの判断を思い出そう。


参考資料

あわせて読みたい

こんなときに

ほかのノートを読む ↗