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志望動機 NOTE 020 約4分

「なぜ同業他社ではなく当社?」に備えて、2社を同じ項目で比べる

架空のA社・B社の資料を同じ項目で見比べる。会社の大きさではなく、顧客と仕事の違いを見る構図。
このノートの要点

「なぜ同業他社ではなく当社か」には、片方を褒める材料ではなく、2社を同じ項目で並べて答える。顧客・提供内容・応募職種の3項目で違いを見て、そのどちらに自分が反応したかを過去の経験で言う。確かめていない差は断定せず、自分が確認できた特徴と、そこに自分が関心を持ったことを伝える。

面接で一番答えにくい質問の一つが、「同じ業界に他社もあるのに、なぜ当社なのか」だ。志望動機は一社ぶん用意できても、「隣の会社ではだめな理由」まで聞かれると言葉に詰まる。そこで慌てて「御社の社風が」「成長性が」と埋めると、どちらの会社にも言えてしまう答えになる。

この質問に効くのは、片方を褒める材料ではない。応募する2社を同じ項目で並べ、どこが違うか、その違いのどちらに自分が反応するかを先に見ておくことだ。志望動機そのものの作り方は別の記事にゆずって、ここでは2社を比べる手順だけを扱う。

同じ3項目で、2社を横に並べる

比べるときに揃える項目は、顧客・提供内容・応募職種の三つでいい。会社の規模や知名度より、日々の仕事に近いこの三つを並べると、自分の関心と重ねやすくなる。

やり方を示すために、架空の食品メーカー2社を並べてみる。

記入例(架空の食品メーカー2社)

項目 A社 B社
顧客 スーパー カフェ・外食チェーン
提供内容 家庭の食卓に出る完成品の惣菜 店が最後に仕上げる業務用の半製品
応募職種(商品開発) 既存商品の味とコストの改良が中心 取引先ごとに一から配合を設計

表にすると、同じ「食品メーカーの商品開発」でも、相手も作るものも仕事の進み方も違うと分かる。A社は決まった棚に並ぶものを磨き、B社は取引先と一緒に新しいものを組む。どちらが上という話ではなく、向きが違う。

同じ形で、自分が受ける2社を空の表に書き写してみる。

項目 (1社目) (2社目)
顧客
提供内容
応募職種

表の下に、見た会社のページ名かURLを一行だけ控えておくと、後で根拠をたどれる。

違いの「どちらに反応したか」を、自分の経験で言う

並べて違いが見えたら、次は自分がどちらに引っかかったかだ。ここで「成長できそう」のような一般論に戻ると、また社名を差し替えられる答えになる。使うのは、自分が過去に何かをして嬉しかった・気になった場面のほうだ。

記入例

アルバイト先のカフェで、既存メニューの分量を少し変えて原価を下げる作業より、新商品の試作で配合を一から考える時間のほうが面白かった。決まったものを整えるより、相手の注文に合わせてゼロから組むほうに手が伸びる。

だから、取引先ごとに配合を設計するB社の商品開発に関心がある。

これで「なぜB社か」が、自分の経験から出てくる。記入例のB社なら、「取引先ごとに一から配合を設計する」という特徴と、自分が面白かった場面がつながっている。A社で同じような仕事がまったくないとまでは言えないが、会社の仕事紹介にその業務が示されていて、自分が関心を持った、という言い方なら無理がない。自分が反応した向きと、相手の会社で確認できた特徴を線でつなぐと、志望理由が自分の側から出てくる。[1]

A社にないとは言わない——分かるのは「違い」まで

比較で一番やりがちなのが、「B社は一から設計できる。A社にはそれがない」と言い切ってしまうことだ。面接では、これは危うい。

表に書けたのは、A社の仕事は改良が中心だ、という公開情報までだ。A社の商品開発が新規配合をまったくしないかどうかは、サイトを読んだだけでは分からない。確かめていないことは「分からない」のまま置く。言えるのは「見えている範囲では、B社のほうが取引先ごとの設計の比重が大きそうだ」までで、相手の会社を否定する必要はない。

比べる目的は、他社を下げることではなく、自分がどちらの向きに反応するかを確かめることだ。だから語り口は「二つの違いのうち、自分はこちら側に手が伸びる」でいい。

表が埋まらない組み合わせは、無理に比べなくていい

二社を並べたのに、違いが「本社の場所くらいしか分からない」で止まることもある。サイトの情報が薄いか、まだ自分が仕事の中身まで見きれていないか、あるいは二社が実際に顧客も提供内容も近くて共通点が多いか、のいずれかだ。どれであっても、ない違いをひねり出す必要はない。

その場合は、比較表を仕上げようとするより、各社を一社ずつ四行メモで深めてから並べ直すほうが早い。空欄が多い段階で無理に違いをつくると、面接でその根拠を聞かれて自分の首を絞める。

2社を同じ項目で並べる作業は、会社に順位をつける作業ではない。似て見える二つを横に置いて、自分の手がどちらに伸びるかを確かめる作業だ。違いが見えれば見えるほど、はっきりしてくるのは会社ではなく、自分がどちらを選ぶ人間かのほうになる。


参考資料

こんなときに

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