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志望動機 NOTE 004 約4分

志望動機が書けないのは、会社の言葉から始めているから

志望動機が書けないのは、会社の言葉から始めているからの漫画

志望動機の欄が埋まらないとき、多くの人はまず会社のサイトを開く。理念やビジョンのページを読み、それらしい言葉を選んで貼り合わせる。「人々の生活を豊かにする姿勢に共感し」——書き終えてみると、社名を差し替えても通ってしまう文章ができている。共感したはずなのに、自分がなぜそこで働きたいのかは、自分でもよく分からない。

原因ははっきりしている。会社の言葉から始めているからだ。理念は誰が読んでも肯定できるように書かれているので、そこに共感してもあなた個人の理由にはならない。志望動機は、会社側からではなく自分側から書き始めると線が引けるようになる。

志望動機は、二つの端を結ぶ線

志望動機を一本の線だと考えてみる。片方の端に、自分がこれまで何かに取り組んで「これは大事だ」と感じたこと。もう片方の端に、応募先の事業や仕事で「ここが気になる」と思ったこと。この二つを結ぶと、なぜ他社ではなくその会社なのかが、無理なく言葉になる。

会社の言葉を写した志望動機に力がないのは、線の片方の端しか持っていないからだ。会社側の点だけがあって、自分側の点がない。だから誰の文章とも見分けがつかなくなる。まず自分側の端から作る。

自分側の端:何がうれしかったか、どこが気になったか

自分の経験を「立派なエピソード」で探そうとすると手が止まる。そうではなく、感情が動いた場面を思い出す。

やり方は二つの問いだけでいい。何をしているときがうれしかったか。何が気になって放っておけなかったか。 大きな成果である必要はない。

例
アルバイト先で、新人が同じミスを繰り返していた。手順書を自分なりに一枚に書き直して渡したら、その人がミスをしなくなった。そのとき、うまくいったことより、「分かりにくいものを分かりやすく直す」作業そのものが面白かったと気づいた。

ここから取り出すのは、成果ではなく価値観だ。この例なら「分かりにくさを整理して、人が動けるようにするのがうれしい」という価値観になる。これがあなた側の端になる。うまくいったこと・気になって調べたこと・悔しかったことのどれからでも、同じように取り出せる。

会社側の端:事業と仕事の二つを見る

会社側の端を作るとき、見るのは事業と仕事の二つでいい。

事業は、その会社が何を誰に売って成り立っているか。仕事は、その中であなたが応募する職種が日々何をするか。理念より、この二つのほうが具体的で、あなたの関心とつなぎやすい。

ここで「その会社にしかない特徴」を探そうとしないこと。同業他社と横並びの事業でも構わない。あなたが「ここが気になる」と反応した点が、線のもう片方の端になる。特徴の独自性ではなく、あなたの関心の向きが動機を支える。[1]

二つの端を、こう結ぶ

自分側の端と会社側の端がそろったら、あいだを一文でつなぐ。型にすると「自分の経験で大事だと感じたこと」→「だから応募先の事業・仕事のここに関心がある」となる。

記入例
分かりにくいものを整理して人が動けるようにする作業に手応えを感じてきた。応募先は、専門的な保険商品を扱いながら、契約者向けの説明資料を見直す部署がある。複雑な内容を、初めての人にも判断できる形に翻訳する仕事に関わりたい。

会社の言葉は一つも借りていないのに、なぜこの職種なのかが自分の経験から説明できている。しかも、事業が横並びの他社ではこの線は引けない——資料を扱う仕事がある会社にしか当てはまらないからだ。独自性を作らなくても、自分の端を持っていれば結果として絞られる。

メモは長く書かなくていい。会社ごとに四行くらいで足りる。

  • うれしかった/気になった経験:
  • そこから取り出した価値観:
  • 応募先の事業でひっかかった点:
  • 応募する仕事でやってみたいこと:

この四行が埋まれば、志望動機の本文も、面接で聞かれたときの答えも同じ材料から出せる。[2]

埋まらない会社は、無理に埋めなくていい

四行を書こうとして、どうしても三行目の「ひっかかった点」が出てこない会社がある。事業を読んでも心が動かず、仕事の内容にも関心が持てない。そういうときは、動機をひねり出すより先に、その会社が今の自分と縁が薄いのだと考えて次に進んでいい。

志望動機を作る作業は、うまい文章を書く技術ではない。会社を鏡にして、自分が何に反応する人間なのかを少しずつ知っていく作業だ。埋まる会社と埋まらない会社を並べていくうちに、自分の端——大事にしていることの輪郭のほうが、先にはっきりしてくる。

今日の持ち帰り:志望動機は、自分と仕事の接点から。大切にしてきたことと、応募先で気になった仕事をつないでみよう。


参考資料

こんなときに

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