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ガクチカ NOTE 019 約5分

ESが文字数を超えるとき、削っていい説明と残したい行動

自宅でESを削るシュウ。ノートPCに赤い「438 / 400」、長い文章のどこを削るか考えている。
このノートの要点

削るのは分量ではなく、同じことを二度言う重複、設問をなぞる前置き、どの経験にも貼れる抽象的な締めだ。何をしたか(行動)となぜそうしたか(理由)は最後まで残す。まず設問が何を聞いているかに戻り、中心から遠い記述から落とすと、芯を細らせずに字数内へ収まる。

書き上げたESを提出フォームに貼ったら、赤い字で「文字数オーバー」と出る。読み返しても、どこも大事に思えて削れない。そうやって、最後の一文を少しずつ短くして、句読点を間引いて、なんとか枠に収める——その削り方だと、たいてい話の芯から先に細くなる。

削るのは、書いた分量ではなく、同じことを二度言っている場所と、無くても意味が通る飾りだ。順番を決めておけば、オーバー分は本文の体力を落とさずに落とせる。

まず、その設問が何を聞いているか読み直す

削る前に設問に戻る。「学生時代に力を入れたこと」なのか、「その中であなたが果たした役割」なのか、「困難をどう乗り越えたか」なのか。聞かれている中心が分かれば、答えの核が決まり、どこを守るべきかが見えてくる。[1]

オーバーする下書きは、聞かれていないことまで律儀に書いていることが多い。活動そのものの説明、団体の規模、業界の事情。背景を丁寧に置くうちに、肝心の「あなたが何をしたか」が後半に押し込まれ、字数だけ先に尽きる。設問の中心から遠い記述ほど、削る候補になる。

削る順番は、重複・前置き・抽象的な締め

順番を一つ決めておくと迷わない。これは機械的なルールではなく、編集作業として効率がいい順番だ。

最初に消すのは重複だ。「原因を考えました。なぜ辞めるのかを分析しました」のように、同じ内容を言い換えて二度書いた箇所は、一方を残せばいい。言い換えは強調のつもりでも、字数では二倍のコストを払っている。

次が前置き。「私が大学生活で最も力を入れたことは、サークル活動です。私はテニスサークルに所属していました」——この導入は、設問が「力を入れたこと」なら、ほとんど設問の繰り返しになっている。「テニスサークルの新歓で、参加者が例年より減っていた」と、状況からいきなり入れば、前置きの一文がまるごと浮く。

最後に、抽象的な締め。「この経験を通じて、仲間と協力することの大切さを学びました」で終わる文は、どの経験にも貼れてしまう分、あなたの情報を運んでいない。削れるなら削り、残すなら「何を見て、次にどう動くようになったか」まで具体に戻す。

一つの段落で、前と後を見てみる

言葉だけだと分かりにくいので、同じ内容を削る前と後で並べてみる(記入例)。

削る前:

私が大学生活で最も力を入れたことは、テニスサークルの活動です。私はテニスサークルに所属していました。新歓の時期に、参加者が例年より減っていることに気づき、原因を考えました。なぜ参加者が減っているのかを分析したところ、告知が学食前でしか行われていないことが分かりました。そこで私は、配る場所を学食前から教室棟前に変えました。学食前は反応が薄かったからです。その結果、参加者は前年より増えました。この経験を通じて、課題を分析して行動することの大切さを学びました。

削った後:

テニスサークルの新歓で、参加者が例年より減っていた。告知が学食前だけで反応が薄かったので、配る場所を教室棟前に変えた。その結果、参加者は前年より増えた。

この例では、削る前が229字、削った後が76字で、153字ぶん短くなった(字数は句読点を含み、引用記号と改行は数えていない)。

落としたのは三つ。冒頭の「最も力を入れたことは…所属していました」という前置き、「原因を考えました/なぜ…分析したところ」という重複、末尾の「大切さを学びました」という抽象的な締めだ。残したのは、配る場所を変えたという行動、反応が薄かったという理由、前年より増えたという結果。事実は一つも足していない。前の文章にあった情報のうち、二度言っている部分と、どの経験にも貼れる部分を抜いただけだ。

削る候補 例の該当箇所 削る理由
前置き 「最も力を入れたことは…所属していました」 設問をなぞるだけで中身がない
重複 「原因を考えました/分析したところ」 同じことを二度言っている
抽象的な締め 「大切さを学びました」 どの経験にも貼れて芯がない

ただし、設問が「そこから何を学んだか」「成果を具体的に」と学びや結果そのものを聞いているなら、締めや数字は核にあたる。その場合は削らず、むしろ具体に戻して残す。削る対象は、あくまで設問の中心から遠い記述だ。

残すのは、行動と、その理由

削る一方で、守る線を引いておく。それは**あなたが何をしたか(行動)と、なぜそうしたか(理由)**だ。

「配る場所を学食前から教室棟前に変えた」は行動、「学食前は反応が薄かったから」は理由。この二つが残っていれば、話はあなたの判断として立つ。逆に、ここを削って背景説明を残すと、活動の紹介文に戻ってしまう。字数が苦しいときほど、形容詞や「とても」「しっかり」のような副詞から減らし、動詞と理由は最後まで触らない。

一つ注意がある。字数を詰める作業で、事実を足したり盛ったりしないことだ。短くする過程で「増やしました」を「大幅に増やしました」にしたくなるが、面接で掘られたとき崩れるのは、たいていその後から足した部分だ。削るのは言葉で、事実は動かさない。

経験から自分の判断を取り出す手順そのものに不安があるなら、「みんなで頑張った」から自分を取り出すガクチカの組み立て方で、役割と判断を先に言葉にしておくと削りやすくなる。同じ経験を自己PRとガクチカで書き分ける話はこちらにある。

最後に、提出フォームで数え直す

手元のエディタで収まっても、提出フォームのカウントが基準だ。改行や空白、句読点を字数に含めるかはフォームによって違う。Wordや下書き用のメモで数えた字数と、フォームの数え方がずれることは珍しくない。貼り付けて、フォーム自身の表示で収まっているかを確かめる。

フォームにカウンターが付いていない場合もある。そのときは募集要項の指定が優先だ。「全角400字以内」「改行を含む」といった書き方の指定があれば、それに合わせて手元での数え方をそろえる。指定方式が基準だと決めてしまえば、本文の削り作業を数字合わせに振り回されずに済む。

おわりに

文字数オーバーは、書きすぎの合図であると同時に、何が核かを決める機会でもある。全部が大事に見えるのは、まだ中心を選んでいないからだ。設問に戻り、重複と前置きと空っぽの締めを落とし、行動とその理由を残す。削り終えたESは、短くなった分だけ、あなたの動いた跡がはっきり見えるようになっている。


参考資料

こんなときに

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