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ガクチカ NOTE 009 約4分

「みんなで頑張った」から自分を取り出すガクチカの組み立て方

「みんなで頑張った」から自分を取り出すガクチカの組み立て方の漫画

話す経験は決まっている。サークルの新歓、居酒屋のバイト、ゼミの共同発表。どれも本当に力を入れたし、話すことには困らない。なのに文章にまとめると、なぜか最後は「みんなで協力して乗り越えました」で終わってしまう。読み返すと、団体の紹介にはなっているのに、自分がどこにいたのか分からない。

これは経験がダメなのではなく、組み立てで人が消えているだけ。今回は新しい経験を探すのではなく、もう選んだ材料から自分を取り出す作業をする。

なぜ主語が「みんな」になるのか

サークルでもバイトでも、たった一人で成し遂げたことなんてそう多くない。だから正直に振り返るほど、主語は自然と「チーム」や「みんな」になる。嘘をついているわけではない。

困るのは聞く側だ。面接官はあなたの話を聞きたくて質問しているのに、返ってくるのが集団の武勇伝だと、目の前の一人が見えない。同じ「新歓を成功させた」でも、企画を出した人、渋る新入生を粘って誘った人、当日ひたすら受付に座っていた人では、まったく別の人物が浮かぶ。どれも立派だが、そのうちの誰があなたなのかを、話は教えてくれないといけない。

主語を「私」に戻す四つの問い

選んだ経験を、次の順に自分へ問い直す。

  • 役割:その集団の中で、自分は何を担当していたか
  • 判断:どこかで「こうしよう」と決めた瞬間はどこか
  • 行動:その判断のあと、具体的に手を動かしたことは何か
  • その後:それで何が変わったか。変わらなかったなら、何を持ち帰ったか

一番抜けやすいのが「判断」だ。役割と行動は思い出しやすいのに、選択の場面は自分でも忘れている。だが面接官が本当に見たいのはここに近い。あなたがどういうときに何を選ぶ人なのかが、判断の一場面に出るからだ。うまくいった選択でなくてもいい。「AでもBでも良さそうな中で、自分はこう考えてBにした」——その理由が言えれば、それはもう誰にも借りられない、あなたの話になる。

例で組み立ててみる

「テニスサークルの新歓で、みんなで頑張って新入生を集めた」を四つの問いに通すと、こうなる。

記入例(テニスサークルの新歓)

  • 役割:ビラ配り班のとりまとめ
  • 判断:例年どおり学食前で配っても反応が薄かったので、配る場所を1限後の教室棟前に変えると決めた
  • 行動:朝の時間帯に人が集まるようシフトを組み直し、自分も早いコマに入った
  • その後:体験会に来る新入生が前より増えた。場所ひとつで結果が動くと分かった

メモは4行で足りる。長い作文にする必要はなく、話す前に自分の立ち位置を確認できればいい。数字を入れるなら自分の経験の実数にとどめて、盛らないほうが後で楽になる。掘られたときに崩れるのは、たいてい後から足した部分だ。

「その後」が地味でも構わない。むしろ「場所を変えたのに大きくは変わらなかった。原因はビラより開催時間だったと気づいた」のように、想定と結果がずれた話のほうが、あなたの考える過程がよく見える。

面接では「その続き」を聞かれる

この四つで整理しておくと、面接で角度を変えて質問されても続けられる。面接官は一つの経験について、何を目指していたのか、なぜそれに取り組んだのか、どんな工夫や努力をしたのか、結果はどうだったのか、そこから何を学んだのか、と掘り下げてくることが多い。役割・判断・行動・その後を先に自分の言葉にしてあれば、どの角度から入られても、暗記した台本ではなく中身から答えられる。[1] [2]

おわりに

「みんなで頑張った」経験の中には、あなたが確かに何かを決めた瞬間が必ずどこかにある。それを一つ思い出せれば、集団の話はあなたの話に変わる。

派手な成果を用意しなくていい。大きな結果より、あなたが迷って、選んで、動いた跡のほうが、聞く人には面白い。ガクチカは自慢の場ではなく、あなたがどう動く人かを見せる場だと思えば、ずいぶん書きやすくなるはずだ。

今日の持ち帰り:「みんな」の話から、自分の動きを取り出そう。役割・判断・行動・その後をたどれば、自分が何をしたか話しやすくなる。


参考資料

こんなときに

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