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企業研究 NOTE 022 約4分

キャリアプランが思いつかないとき、入社後に覚えたい仕事から考える

遠い役職ではなく、まず覚えたい仕事を考える。PCを見るシュウの想像に、顧客へソフトの使い方を説明する自分。
このノートの要点

十年後から描こうとして止まるなら、入社後に覚えたい仕事という近い端から考えます。必要な能力、その先に担いたい仕事、今できることへと順にたぐり寄せ、年数で聞かれたらその時点で目指す姿まで答えます。

面接で「入社後のキャリアプランを教えてください」と聞かれて、言葉に詰まる。十年後の自分なんて想像がつかないし、エントリーシートの「将来像」の欄も、書こうとすると手が止まる。無理もない。まだ働いたことのない仕事の、さらに先を描けと言われているのだから。

順番を変えるといい。入社してすぐ覚えたい一つの仕事から考え始めると、そこから線が伸びていく。

まず、入社後に覚えたい仕事を一つ決める

応募先の職種が日々どんな作業をしているかを見て、その中から「これをできるようになりたい」と思える仕事を一つ選ぶ。何を日々やっているかは、会社サイトの仕事紹介や社員インタビューから拾える。企業研究のメモの残し方と同じ材料でいい。

ここで注意が一つ。配属の決まり方は会社によって違う。職種別に募集していれば入口はある程度はっきりするし、総合職なら入社後に適性や状況を見て配属が決まることも多い。どちらにせよ希望どおりになるとは限らないから、「この部署に行く」と宣言するのではなく、その職種が担う仕事の中で、自分が覚えたいものを挙げる、という姿勢にしておく。

例
応募先は業務用ソフトの会社。職種はソフトの導入サポート。入社後にまず覚えたいのは、顧客先の業務に合わせて設定を組み、使い方を説明する仕事だ。

その仕事ができるには、何が要るか

覚えたい仕事が決まると、必要な能力は具体的に書き出せる。その作業をこなすために実際に要るものを並べていく。

先の例なら、製品の機能を一通り理解していること、顧客の業務を聞き取れること、専門的な話を初めての人にかみ砕いて伝えられること。この三つがそろっていると、設定を組んで説明する仕事の見通しが立つ。「コミュニケーション力」と一言で書くより、何がどう要るかが見える。

ここは志望動機の材料とも重なる。自分が過去に「分かりにくいものを整理するのが面白かった」と感じていれば、三つ目の能力は自分の関心と地続きになる。経験から価値観を取り出す手順は、志望動機の作り方と同じだ。

能力の先に、将来担いたい仕事を置く

最初の仕事を覚えた先に、何をしたいか。これが「将来像」になる。ここも担いたい仕事の中身で考えると答えやすい。

例
導入の現場では「ここが使いにくい」という声を何度も聞くはずだ。それを自分の中にためておき、やがて開発チームに渡して製品の改善につなげる——そういう橋渡しの役を担いたい。

近い仕事から遠い仕事へ、一本の線で説明できている。十年後の役職を当てにいく必要はない。覚えたい仕事と、その先に担いたい仕事。この二点がつながっていれば、将来像としては十分に立つ。

ただし、そういう橋渡しの役が実際にあるか、現場の声が開発に届く仕組みがあるかは会社によって違う。将来こう動きたいと思ったら、仕事紹介や社員インタビューで、そうした動きがある職場かどうかを一度確かめておくといい。描いた線が、その会社で引けるものかが見えてくる。

今できることを、一つ添える

将来像まで言えたら、それに向けて今やっていることを一つ加える。大きな資格や長期の計画でなくていい。

例の続きで言えば、無料で使えるツールを実際に触ってみて、初めての人がどこでつまずくかを自分で書き留めておく、くらいで足りる。「将来こうなりたい」とだけ語るより、すでに手を動かしている一点があるほうが、話に芯が通る。

ここで一つ区別しておきたい。まだ始めていないなら、やったふりをせず「これから触ってみるつもりだ」と予定として言えばいい。済ませたことと、これからやることを、言葉の上で混ぜない。手元に何もなければ、まず一つ始めてから書いてもいいし、始める予定をそのまま伝えてもいい。

「三年後は?」と聞かれたら、その時点で目指す姿まで答える

年数を区切って聞かれることがある。そのときは、その時点で自分が目指している姿まで答えればいい。[1]「三年後には役職に就いている」と約束するのではなく、「三年後には導入を一人で任され、簡単な改善提案も出せるようになっていたい」と、目指す仕事のレベルで答える。

昇進や任される時期は、制度や状況にも左右される。だから語るのは、自分の意志として言える範囲——その年数のあいだに何を覚え、どこまでやれるようになっていたいか、までにとどめる。

遠い端より、近い端から

遠い将来から描こうとして手が止まるなら、覚えたい一つの仕事という近い端から決めればいい。そこから、必要な能力も、その先に担いたい仕事も、今やることも、順にたぐり寄せられる。

描いた線のとおりに働けるとは限らない。配属も、数年先の役割も、思惑どおりにはいかないだろう。それでも、入りたい仕事の中身を一度言葉にしておくと、面接で問われたときの手がかりになるだけでなく、入ってから「思っていたのと違う」に気づくための物差しにもなる。


参考資料

こんなときに

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